一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―


怒涛の2日間だった……


この2日間が100日くらいに感じるくらいの濃さ。

パフォーマンス対決の後、何事もなかったかのようにスパルタレッスンが始まるし。



家に着く頃にはもうどろっどろに疲れ果てていた。



リビングで久しぶりにお風呂上がりのストレッチに勤しむ。



だだっ広い部屋に一人きり。
一緒に暮らしている母は、現在入浴中。



目の前の大画面テレビには、バライティ番組で愛想よく笑うお兄ちゃん――
もとい、俳優・三嶋日向が映っている。



地べたに足を伸ばして座って、ぐーっとゆっくり前屈。


「ゔ――いたたた……」


やっぱり体、硬くなってる。


1年前、お兄ちゃんが高校卒業と同時に実家を出てからボイトレもアイソレ練も、課せられてたもの全部やらなくなってたからなぁ。


アイドルやるってなるんだったら、真面目にやっとくんだった。



「硬った。お前、俺が課したメニューサボってたな?
こんな固まってんなら、可動域死んでんじゃねぇか」

「み゛ッ!」


慎重に倒していた背中に、容赦なくのしかかる体重。
大きな平手の感触。

外気で冷え切った冷たさと、元々持ってる声の圧。


これは、間違いなく。


「……いつのまに帰ってきたの?お兄ちゃん」


兄・美嶋日向。