カラオケは、流れ続けている。
誰も何も言わない。
息を切らせながらゆらりと南の方を向こうとした時――
タックルするみたいに抱きしめられた。
「め――っちゃ楽しかったっ!最高!」
「え、ちょっ……南!?」
ぎゅうっと力強い腕の力に体が軋む。
正直ちょっと苦しいし、恥ずかしい!
でもなんでだろう。すごくホッとしている。
そわそわと蓮の手が落ち着かない。目も迷う様に動いている。
ちょっと乱れたペールピンクの髪を掻いて、吹っ切れたみたいに私たちの方に駆け寄ってきた。
「あー、もう!ズッルイわぁ。
何あのエモい演出!一緒にやりたいって思っちゃったじゃんか」
ぼふっと私と南を覆う様に飛びついてくる。
その後に昊も歩いてきた。
「……面白かった。歌、不安定なとこちょこちょこあったけど」
「わはっサンキュー、昊!」
南は蓮の腕の隙間から手を伸ばして、昊のことを捕まえ引き寄せる。
トン、と団子状態の私たちにぶつかって、無表情がすこしだけ迷惑そうな顔になった。
長身男子達の中心で、私はもみくちゃ。
もはや誰の腕や肩かわからない隙間から、まだ壁にもたれたままのユウキが見えた。
複雑そうな顔。
でも、ちゃんとこっちを見てる。
今なら、手が届く気がした。



