一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―


おもちゃ箱みたいなサウンドが、キラキラと厚みを増していく。ぽかんとしてる3人を2人で見つめた。


「!」


目が合ったことに気づいたみたい。

ニッと笑いかけて、手を伸ばす。
そして南と一緒に、誘うかのようにセンターポジションに視線を移して手を流した。


――そこで、止まる。

音が、ほんの一瞬だけ遠くなる。
伸ばした手も、視線も、そのまま。
外さない。


ぴくりと、3人の指先が動いた。


「え、何?今、来いって言われた気がした」


蓮は目を何度も瞬かせながら困惑顔。
隣にいたユウキも動揺を隠しきれず、ごくりと息を呑む。

「………………僕も」

ボソリと、思わず溢した。


「ひとつになって 輝きだすよ
 君と描く このストーリー」


南と明るい声が重なる。
“君と”でお互いを指さして、ユウキ・蓮・昊にもその先を向ける。


昊がハッとした顔をした。


「……あれ、5人構成のフォーメーション」


ぽつり、呟く。

それを聞いたユウキと蓮が「え?」と訝しげに昊を見て、またすぐに私たちの方を向いた。


「あっ!だから変な距離空いてんのか!
 じゃあさっきのアレ、錯覚じゃなかったんだ」


蓮がミステリーの伏線回収した時みたいな顔をしている。


「……“5人組”アイドルユニットの選曲も、俺たち全員でパフォーマンスしてる構成を想像させたかったってコトかな」


無機質なのに鋭い昊の目が、真意を見抜く。


よかった、私たちの意図が伝わったみたいだ。



ユウキはずっと私たちを、私を、見ている。

険しい顔の裏にある感情はもう別物。
悔しさを押し殺す様に唇を噛んだ。

「胸の奥で 弾けた光
 もう止められない 止まらない」

「手を伸ばせば 届きそうな
 一等星へ 今」


数メートルの距離感で、対峙している私たちとユウキ達。
絡み合う視線は離れない。

その距離を、ゼロにしたい。


「――走り出そう」


歌い切って、ポージング。
全身で3人に向き合う様に、胸を張って立つ。


やりきった安堵と、心がつながったみたいな感覚に、へにゃりと作り笑顔が緩み切った笑みに変わった。