『千景は、アイドルが好きなの?』
大きなソファに座って、台本を広げていたお兄ちゃんがそう問いかけてきて、私は。
『――うんっ大好き!』
無邪気にはしゃいで、答えたの。
『千景は、アイドルになりたいっ』
――思い出した。
アイドルは、私の夢だった。
「光る未来 繋ぐよ この瞬間で」
握り込んだ手を胸に当てる。それから、流れる様にその手を天井に向かって振り上げた。
Ryoさんが、ガタンと前のめりになる。
ニヤリと笑う顔は、面白いものを見つけた時の顔だ。
「理性派かと思ってたけど感覚派か!
楽しそうな顔しちゃって。表現の幅広げたら化けるかもな」
――さぁ、サビ。
再び南と横並びになる。
センターの位置は開けて。
それから、実は両サイドも空いてるんだよ。



