一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―


歌い出しの手前で、南が大きく斜め前に出てセンターポジションにつく。

対して、私は斜め後ろに下がって次の振りに備えた。


「駆け出した鼓動 止められないまま
 バラバラだった夢 今ひとつになる」


強いアタック。一瞬で空気を変える明るくて華のある南の声質。



NO MERCYの後のキャッチー全振りしたみたいな選曲で、拍子抜け……そう下がりかけた温度を一瞬で取り返した。



「南くんの求心力は天性ですね。背も高くて手足も長いから、シンプルな振りでも映える映える!」


冴さんがキャッキャしながらはしゃぐ。
単純に南のこと、推してるのかなって雰囲気。


くるりとターンして、お互いに距離を詰める様に同じライン上に立つ。


向かい合って、視線を交える。


「遠回りしても」
「ここで出会えたなら」

「きっと意味があるって 信じてるから」


掛け合った声が重なる。
南の歌う主旋律に上ハモが綺麗にハマった。


(気持ちいい。……楽しい!)


自然と口角が上向く。
胸が泡立つみたいに熱くなって、走り出したい高揚感。


南が道を譲る様に交代するのと同時、弾んで一歩、前に出る。



Bメロ。センターポジション。“俺”の番。


そして、勝負どころ!