一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―

急にポンと肩を叩かれて、その手を弾くように体が跳ね上がる。
振り向くと手を挙げた蓮がきょとんとして、それからふっと笑った。


「緊張しすぎでしょ。俺が言えたことじゃないけど〜」


セットされて空気を含んだピンク髪がふわりと揺れる。
人懐っこい笑顔に、頬にまつ毛の影ができた。


「なんっで炎上ピンクのうちわが多いんだよッ」
「まー、今回センターですし」
「……謝罪とドラマで株上げたしね」

ユウキがモニターで客席を見ながら、両手を戦慄かせる。
冷静な南と昊のツッコミに、「納得いかねー」と大きな目を吊り上げた。


いつもの空気に、ホッとしつつちょっと焦る。
心の中で人の字を書いて、下唇が引っ込んだ。


「楽しもーよ千景ちゃん。俺、このステージは千景ちゃんのおかげで立ててると思ってるんだから」


そう言って甘く笑う蓮に、もう一度優しく肩を叩かれる。
直後スタンバイするように声がかかって、軽やかにステージに出ていく蓮の背中が不思議と頼もしく見えた。