初めてテレビの中から聞こえてきた蓮のセリフに、昊が静かにそう言った。
『ありがとう……』
『いーえ、どういたしまして』
強がりながらもときめいちゃうまりんと、片足重心で立ってチャラチャラと笑う隼人。
「まんま蓮だね」
「だな!」
若手ばかりの深夜ドラマ。
演技は正直言ってかなり拙い。
――でも、本人に近い役だから実写版・涼風隼人が成り立っている。
漫画の世界に入り込んだ気になってドラマにのめり込む。
30分の短いドラマ。いよいよクライマックスだ。
『君、今日から俺のカノジョね?』
――来た!
キスの予備動作に入った隼人の画に、私はもちろん全員の息が止まる。
まりんが正面を向く画角に、体を屈めた隼人の後ろ頭がカットイン。
キスしてるように見える瞬間に合わせて音が止まる。
まりんが目を見開く描写、次いで顔を離した隼人が不敵に笑うと大音量で私達の2ndシングルでもある、「恋色サイダー」が流れ出した。



