「嫌だ。もう、自分を偽るのは嫌だ。ヴィオラ、お前が教えてくれたんだ」
アレクシス殿下が、私の肩を掴む。勢いあまって、殿下の胸にそのまま飛び込みそうになる。
「愛している。ヴィオラ。どうしようもなく、愛しているんだ。お前以外、オレはなにも要らない」
激しい言葉が、熱のたぎる視線を伴って、私の胸を刺す。殿下は私の顎にそっと手を添え、震える唇に優しく指を這わせた。
「ヴィオラ。オレの妻になってくれると、言ってくれ。それならオレは、国を捨てても構わない」
アレクシス殿下は、ゆっくりと、ごくゆっくりと私に顔を寄せる。焦がれた人が、その気持ちすら押し殺していた愛しい人が、私だけを見詰めている。
私は——私は、ここに来るべきでは、なかった——!
耐えきれずに、アレクシス殿下の胸に、身を預けてしまいそうになる。今この胸に飛び込めば、今この唇を受けてしまえば、私はもう——

