私は剣に身を捧げた女。王太子殿下の求愛は、お受け出来ません

 
「ヴィオラ。オレの目を見てくれ」
 
 何も言えないでいる私の心中を、アレクシス殿下はどう読んだのだろう。乞うような囁きを無視できずに、殿下の顔を見上げる。目と目が、合ってしまった。
 
「ずっと、お前のことばかり考えていた」
 
 静かな、慈しむような声。大きな手のひらが、優しく私の肩を包む。
 
「お前のそばにいると、オレは本当の自分になれる。自分を偽らなくていいのだと、このままでいていいのだと、心から思えた」
 
 魅せられたように、視線を振り解けない。何度も見たアレクシス殿下の赤い瞳は今、かつてないほどに燃えている。
 
「だから……だから、オレは——」