「……贈り物、ありがとうございます。宝物にします」
まだ胸に留めてあるブローチをそっと抑えると、殿下はふんわりと微笑んでくれた。
「気に入ってくれてよかった。やっぱり、よく似合っている」
私を見つめるアレクシス殿下の目が、優しい。今日の疲れと混乱が引いていくような、暖かい癒しに満たされるような、不思議な気分になる。
「私も、殿下に贈り物をしたいです」
「本当か? 嬉しいな。でも、気は遣うなよ」
「いいえ。私が贈りたいから、贈るんです」
するりと、素直な気持ちが口からこぼれ出ていた。
アレクシス殿下を喜ばせたい。折に触れて顔を覗かせていた寂しさの正体を知った今、その寂しさを慰めたいと、心から思った。
「なんだろうな。楽しみだ」
くすっと笑うアレクシス殿下は、心から楽しそうだった。端正な顔立ちを彩る笑顔はあまりに澄み切っていて、なぜだか、胸の奥がぎゅっとした。

