私と二人でいるときと、他の者がいるときとで、殿下の態度は明らかに違う。ここしばらくで、殿下とはすっかり打ち解けてしまっていた。
人前ではいかにも素晴らしい完璧な王子様のような振る舞いをして見せるのに、私の前では急に少年のようになってしまう。
城に来てからというもの、なんらかの用事に付き添うことは何度もあった。
もちろん、アレクシス殿下が出掛けるのなら、護衛をつけるのは当然だ。中でも息の合う者であるのが望ましいので、私が付き添うのが自然ではある。
「この前なんか、変装して街の酒場で立ち飲みしたでしょ! あれは、どう考えてもしょうもない用事です」
「いやいや。視察だろ、視察。民に混じって同じ盃の酒を飲むことで、初めて見えてくる景色があるはずだ」
「まあ、それもそうですけど……だいぶ酔っ払って、ご機嫌でしたよね」
アレクシス殿下は〝視察〟と称して、何度か街に繰り出していた。実際に国民の生活を肌で感じていたし、それも大事な仕事ではあるのだが。
とはいえ。私を引き連れて、一介の騎士を装って街で過ごす殿下は、純粋に楽しんでいるようだった。
「それに、いつもの森のど真ん中で延々と手合わせするやつ。あれも大事な仕事ですか?」
「そりゃそうだろ。オレが本気を出せる相手なんて、そうはいない。自己鍛錬のために、真面目に特訓をだな……」
「それにしちゃ、頻度が多くありません?」

