何かの間違いであることを願って、また宰相の顔を伺う。
「殿下、お戯れはそのへんになさいませ」
宰相は、もみ手をしながら言った。へつらうような声色だ。
「殿下は、女性とあらばどんな娘にもお優しいのだ。くれぐれも、本気にすることのないように」
なんだそりゃ!!!
つまりこの国の王太子は、とんでもない女好きだということか。宰相は良いように言っているけども。
「戯れだなんて……わたしは、麗しい女性を麗しいと思う気持ちを、隠せないだけなのに」
発言内容が、ますます女たらしっぽい。王太子殿下は、名残惜しそうに手を離してくれた。

