私は剣に身を捧げた女。王太子殿下の求愛は、お受け出来ません


「なあ。オレだけなのか? このたった数日間でも、会いたくてたまらなかったのは……」
 
 どこか寂しそうな瞳を見ていると、胸がぎゅっと絞られるように甘い痛みが走った。
 
「いいえ! 私も、会いたくてたまらなかった……」
 
 もう、自分を偽る必要はないのだ。まだ実感が湧かなくて、堂々と彼を愛せる幸せに慣れていなくて、つい強がってしまう。
 
「会いたかったです……」
 
 振り絞るように言った私を、アレクシス殿下は荒々しいほどの強さで掻き抱いた。
 
「もうオレは、自分を抑えない……」
 
 低い囁きを吹き込んだあと、アレクシス殿下の力強い腕が、私の体を横抱きに抱き上げる。
 
「それも、こんなに可愛らしいドレスを着て。オレを誘惑するつもりか?」
 
「いっ、いえ、そんな……」
 
 まさにお姫さまのように横抱きにされながら、私は耳元で囁く彼の声がじんじんと沁みてくるのを感じていた。