マリエルが、ふふっと笑いながら言う。私がかつて、男の子に混じって剣を振り回していた頃を思い出しているらしかった。
「確かに。ま、今夜アレクシス殿下に呼ばれているから、今後について話し合いをしてくれるのだろう」
マドレーヌを摘みながら、遠くの空を見上げる。アレクシス殿下は今頃、婚約に関する手続きで忙殺されているはずだ。
今頃といえば——本当なら、この場に加わって一緒にお茶を楽しみたかったもうひとりの友人にも思いを馳せる。
セリーヌ嬢。あの日以来、一度も会えていない。処遇が決まるまで、城の一室で護衛つきの部屋に入れられている。
彼女に会いたい——と思いつつも、今目の前にいてくれている友人たちに意識を戻した。
「まあ。今夜呼ばれてるですって?」
「おお……頑張ってくださいっス」
二人は顔を見合わせて、なにやら妙にイキイキとしている。
今夜は話し合いはそこそこにして、ゆっくりお酒でも飲むかもしれない。もしくは、あの森に飛び出して延々と手合わせでもするのかも。
久しぶりにアレクシス殿下と過ごせる日が来たのが、嬉しかった。

