私は剣に身を捧げた女。王太子殿下の求愛は、お受け出来ません


「いやはや、なんの話ですかな?」
 
 しらを切ろうとする公爵の前に、殿下は懐中からいくつかの包みを取り出す。
 
「数日前の襲撃事件で使われた魔道具と同じ製品が、エルディシア公爵家の屋敷から発見された。他にも重要な証拠はいくつもある」
 
 襲撃現場で回収した魔道具の破片と、屋敷の隠し部屋から発見された魔道具の報告書。
 
「事件の調査を妨害していたと見られる工作も、複数確認できた」
 
 殿下は、調査チームの捜査の足取りと、それらが難航していた経緯を記した陳述書の内容をかいつまんで述べた。
 
「……つまり、一連の襲撃事件に関する調査は……エルディシア公爵、お前が妨害していたのだろう」
 
 謁見の間は、すっかりざわめき立っていた。王と王妃はひそひそと意見を交わし、衛兵たちですら顔を見合わせている。
 
「全ては、私が一刻も早く結婚に至るための口実を作るため。そしてお前は、娘のセリーヌ嬢を王家に嫁がせたかった。違うか」
 
 淡々と語り終えたアレクシス殿下を、エルディシア公爵は気迫で圧倒するかのように立っていた。