前回の襲撃事件の前後から、父が時折、屋敷に来た何者かを脅すような様子が見られたらしい。
「明らかに脅迫している現場を見た、という訳ではないのですが……なんだか、我が家にいらしたお客様が怯えたように帰っていかれることが増えて……」
なるほど、と、私はひとり頷く。
おそらく、城の調査チームを指揮する役人に、圧力をかけていたのだろう。それで、王太子殿下が襲撃された事件が起こっても、満足な調査が行われなかったのだ。
「そして先ほど——父の言葉で、はっきりと予感してしまったのです。この人が黒幕なのだろうと」
——セリーヌ。ついに、お前を王家に嫁がせてやることが出来そうだ。感謝するがよい。——
「邪悪な、底知れない笑顔でしたわ。王太子殿下が襲われ、ヴィオラさまはお怪我をなさったというのに」
……これだけで、断定はできない。しかし、十分に疑う余地はある。少なくとも、セリーヌ嬢の確かな直感を無下にしたくはない。
「わたくしは……幼い頃から、父を恐れていました」
厳格で、冷淡で、気難しい父親。高価なモノは

