「愛、もしかして…淳の事」


恋がそう言うのに、私は答えられなかった。


私の知らないうちに、私の中で淳の存在が大きく広がっていったのは事実。


でも、それは…“好き”なのかな。


「分んない」


と、答えるしかなかった。


「それでいいと思うよ。 いつでも、話聞くから」


と、恋は少し笑って言った。


「うん…ありがとう」


お父さんとお母さんのお土産を選んで、またロビーに戻った。


そこには、淳の姿があった。


「あ、愛。 おはよう」


ただ、挨拶されただけ。


…なのに。
顔が熱く感じる。


さっき、恋に言われたから?
それとも…。


「どうしたの? 具合悪い?」


「だ、大丈夫…」


こいつは、変態…なのに。


好きに、なっちゃったのかもしれない。