逃げ出してしばらくして、お土産やさんを見つけた。


ちょっと覗くと、恋がお土産を物色していた。


「恋、何してんの?」


「え? いや、これ父さんと母さん好きだなって思って」


「あー! 好きだね!」


「でも、今買ってもなぁ、って感じじゃん」


「うん、確かにねー! てか、恋えらいねえ。 私、お土産買うつもりすらなかったよー」


「んじゃ、今買っちゃうから一緒に選んでよ。 今ヒマなんでしょ?」


「はーい! あ、そうそう。 聞いてよー」


私がさっきの事を恋に説明すると、何故か恋は頭をポリポリ、とかいた。


なんか考えたり悩んだりしたときにする仕草。


「なに? なんか私、変な事言った?」


「いや、そうじゃないんだけど。 気になって」


何が?と聞くと、恋はこう言った。



「愛は、淳と二人で行動したかったんだ。 って思って」



……はいっ!?


「な、なんでそーなんのっ!?」


「だって、遥に押し付けたって事は…」


「ち、ちが…。 あれは、遥が生徒会長の事…」


ここで、口ごもる。




本当に、そうだった?
あの時、私は遥の事だけ…考えてたっけ?


なんで、私はあの二人から逃げ出したりしたんだろう。