「素直に言えばいいのに。かくれんぼなんてガキくさくて嫌だーって」


と、恋が意地悪を言う。


恋…私の味方なの?敵なの!?
恋はあくびをして、そっぽをむく。


そして、いつの間にやらかくれんぼが始まった。
鬼は、先生がやるみたい。


昔は、恋の後についていって、一緒に隠れてたっけ。
とりあえず、恋を探そうっと。


私は隠れるより先に、恋を探した。


「あ、いた! 恋―っ」


と、…あれ?
香川くんもいる?


「あ、愛。 どうしたの?」


「あ、いや。 恋と一緒にかくれよっかなーって。 お邪魔だったかな?」


「そんな事無いよ。 一緒に隠れる場所探そうか」


と、香川くんが言った。
声もちょっぴり低めでいいな~。


なんて考えていると、香川くんはまたしきりに鼻を動かしていた。


「どうしたの? 香川くん。 花粉症?」


「い、いや…」


香川くんは、ぷいっと目線を逸らした。


…変なの。


「もーいいかい! っていうか、もう行くぞー!」


と、高木先生が大声で叫ぶ。


「やば、隠れなきゃ!」


私は恋と一緒に、そこにあったロッカーの中に入った。