「あの、もしよかったらでいいんですけど、勉強教えてもらえませんか?」


私がそう言うと、生徒会長はニコリと笑った。


「うん、喜んで。 あ、でも教科書無いよね?」


「じゃあ、問題集か何か探してきます!」


探していたものを見つけて、生徒会長が座っている席に戻る。


「こないだ授業に出てた問題なんですけど、なかなか理解できなくって…。先生にも恋にも聞こうと思ったんですけど、忘れてて」


本の中心のつなぎ目をパコッと音を立てて固定し、開いたままの状態にする。


そして、分からない問題を、指さす。


「これですか…」


「そうです、これです」


「教えるのはいいんですが…」


「はい?」


「名前で、呼んでください」



…はいっ!?
コイツまで何言い出すんだ!