「翔です。 名前」


「そ、それは知ってるけど…」


「女友達だと思えばいいじゃないっすか」


まあ…そうなんだけど。


沢尻くんだと緊張もしなく呼べるかも知れない。


「じゃあ…翔ちゃん」


「ちゃん付けっすか。 …まあいいや。 呼んでくれるだけ嬉しいし」


笑った顔が、本当に女の子みたい。


それから、メンズ服も、女の子の服も色々見ていった。


歩きつかれたから、喫茶店でお茶する事になった。


私が頼んだのがレモンティー。
翔ちゃんが頼んだのはミルクティー。


…頼むものまで女の子っぽい。


「ねえ、愛先輩って恋先輩と双子なんですよね?」


「うん、そうだけど…」


「恋先輩ってカッコいいじゃないですか! 双子でもドキッとする事ないんですか?」


「あはは、するワケないじゃん」


翔ちゃんは頭につけてるハートの飾りから出た小さな髪の毛の束をピョコピョコと動かして喋る。


なんか耳みたいでカワイイ。