「…で?」


デート当日。

…じゃない、デートじゃない!


顔をブンブンと横に振る。


「どこ行くのよ」


腕組んで仁王立ちしている私。


しかも違う!
こんな態度とりたいんじゃないんだってばー!



「どこにも行かないけど?」


「へ?」


キョトンと首を傾げる。


「ここ。 ここの公園でブラブラしようよ」


待ち合わせの公園。
ここは最近リニューアルして大きくなったんだっけ。


「う、うん。 いいね」


私は頷いた。


ここの公園、実は一回見てみたかったんだよね。


「あ、クレープあるよ! クレープ!」


クレープ屋さんを見つけて、変態を手招きで呼ぶ私。


なのに変態は首をかしげて私を見ている。


「…なに、どうしたの」


私が不思議がってると、変態は口を開いた。


「あのさ、主井さん。 俺の事、名前で呼ばない?」


と、変態は言った。