主張大会では、結構たくさんの人が参加していた。
誰かに好きだ、と告白したり、秘密を暴露したり。


主張したあとは、みんなスッキリした顔をしていた。


私の出番は最後。
緊張して、少し足が震えている。


「大丈夫?」


変態が声をかけてきた。
私は頷いて、口を開いた。


「緊張はするけど…不安、みたいなのはあんまりないかな。 …そりゃ、少しはあるけど…」


変態3人に、聞いてもらえたから、もうそれで充分スッキリしちゃったのもあるし。


「そっか。 まあ、気楽にでいいと思うよ」


「…そだね」


進行役の恋が、私の名前を呼ぶ。
私は屋上から、グラウンドを見下ろした。


全校生徒が集まっていて、すごい人の数。
少し、緊張も不安も増してしまったけど。


変態…香川と、沢尻くんと、生徒会長、恋の顔を見たら、自然と緊張も不安も飛んでいった。


大きく息を吸って、手に持ったマイクに叫ぶ。


「私には、隠していた事があります!」


大きな声で、自分の事を、延々と語った。


ウザい、とか思われてないかな。
長くて、退屈とか。


でも、聞いてほしい。
私の事。


理解できなくってもいい。
ただ、聞いてほしい。


言いたい事を全部吐き出して、小さくため息をつく。


下から小さく拍手がきこえてきて、それに気付いた時には、大きな拍手になっていた。



拍手の音に、私はまた泣いてしまった。


ただ、自分の事を話したふだけなのに、拍手の音が、すごく心に響いてくる。
私はみんなに礼をして、その場を去った。