窓の外の景色は、とても綺麗で…なんだかボーッとしてしまっていた。


「私さ……」


ポツリ、と呟くようにいつのまにか口を開いていた事に気付いた。


「どうしたの?」


変態が、私の顔を覗き込むように言った。
私は顔を真っ赤ににして、両手で自分の口を塞いだ。


「…なんでもない」


下を向くように、そう言った。


三人はキョトンとした顔をして、私を見ていた。


いけない…うっかり言うところだった。
誰にも言うつもりないのに。


この三人には、知ってほしい…なんて、どうかしてる。
でも、知ってほしくない気持ちの方が大きいかも。


だって、知られたら…。


「主井さん、着いたよ」


生徒会長が私の肩をポン、と叩いてそう言った。


「愛先輩、メリーゴーランド行きましょうよ!」


沢尻くんはニコニコしながら私の腕を引っ張る。


「ほら、すごい綺麗だろ?」


変態が、メリーゴーランドを指さす。


「…うん」


「ほら、愛先輩。 一緒に乗りましょう!」


…って、へ?一緒に!?


「一緒にって…白馬に?」


「当たり前じゃないですか!」


「だめだめ!むりむり!」


そう言うと、沢尻くんはふくれっ面をしたあと、生徒会長と、一緒にカボチャの馬車に乗っていた。