「愛先輩! あれまだ乗ってないですよ! 一緒に乗りましょう!!」


沢尻くんが、私の腕を無理矢理引っ張る。


「あれって…観覧車?」


沢尻くんが指をさした方向びは、大きな観覧車があった。


「愛先輩は俺と! 淳先輩と生徒会長は二人で乗ってくださーい」


私の腕をつかんだまま、観覧車へと走る。


「おい、翔! ずるいぞ!」


「そうだそうだ」


変態二人も後からついてくる。
別に4人で乗ればいいんじゃないかな…なんて考えた。


「結局…先輩方も一緒に乗るんですか」


乗る時に騒いでたから、無理矢理押し込んじゃった。
沢尻くんは不機嫌そう。


「いいじゃないか、隣には座らせてあげてるんだし」


「そうだそうだ」


ぶーたれる変態と生徒会長。
私はそれを見て噴き出してしまった。


「主井さん?」


キョトンとする三人。


「いや、可愛いなって思って」


そう言うと、三人とも嫌そうな顔をした。


「…なんでよ」


「愛先輩、男に可愛いって言ってもそれ褒めてないですよ」


「え? 沢尻くんよく言われてるじゃん」


「男なら、可愛いよりカッコいい!ですよ」


ふーん、と興味なさそうに返事をする。

観覧車がてっぺんにつく頃には、もう暗くなっていた。
窓からメリーゴーランドを見ると、宝石箱のように光っている。


「うわー! 見てみて! すごい綺麗!」


「そうやってはしゃいでる主井さんの方が綺麗ですよ」


と、生徒会長。


「…クサいよ」


やっぱり?と照れたように笑った、変態生徒会長。