「それと、主井さん」


「は、はいっ!」


「あなたもね」


…はい?


わ、私…何かしましたっけ?
止めに入ったから?


鈴木さんは私たちに背を向けて歩き出した。
鈴木さんたちの姿が見えなくなってから、大きなため息をついた。


「あ、あの…ありがとう。 主井さん」


好田さんはボソボソと、恥ずかしそうに言った。


「あ、ううん。 気にしないでー。 私、ああゆう雰囲気が嫌いなだけだから。 それにしても、災難だったね」


そう話してると、恋がやってきた。


「無茶するな、愛は」


「あ、恋! 見てたんなら助けてよ!! 怖かったんだから」


「愛の勇士を見てようと思ったんだよ。 お兄ちゃんとして」


「うそつけ!」


ただ面倒くさかっただけだろ!


まったく恋は。
私はまたため息をつく。


「でもでも、もしかしたら…これからこわいかもよ?」


と、遥が言った。


「え? なんで?」


「さっき言ったでしょ? 王子親衛隊だって。 今、噂になってるもん。 生徒会長も学園のアイドルも、可愛い新入生も、愛の事おっかけ回してるって!」


「それってつまり?」


「女の恨みはこわいって事です」


な、なにそれ~~~!
ただでさえあの変態達に追っかけまわされて迷惑してるっていうのに!