そういえば、沢尻くんのクラスってどこか知らなかったな…。


あてもなく廊下をウロウロしていると、沢尻くんに会った。
今中庭から戻ってきたみたい。


「あれ? 愛先輩、どうしたんですか?」


「あ、沢尻くん!」


私は沢尻くんの肩をガシッと掴んだ。


「さ、沢尻くんは、女の子と手当たり次第に付き合ってるって聞いたけど…本当なの?」



私がそう言うと、一瞬ドキッとした顔をした。


…もしかして、本当なの?
私はショックを受けた。


「あ、あの…違うんです。 理由を聞いてくれますか?」


「そっか! なんか訳があるんだね。 うん、聞くよ!」


やっぱり、沢尻くんがそんな女の子をとっかえひっかえしてるなんて、そんな訳ないし!


なんて、会ってちょっとしか経っていないのにこの信じようはなんなんだろう、と自分でもビックリする。


「じゃあ、ちょっと人気の無い所で話しましょうか」


そう言って、屋上の入り口の階段に連れてこられた。
ここならなかなか人は来ないから、私もよく来るんだけど、なんでここ?


「愛先輩、俺…実は……」


「うんうん」


私は頭を縦に振って、沢尻くんの話を聞いた。


「俺…実は……」


言いにくそうに口をモゴモゴしている。
顔も少し赤らめている。


可愛い、なんて思うのは不謹慎だろうか。



「女性のお尻が好きなんです!」



……………ん?


いま、なんて?
私は自分の耳を疑った。