「あ、愛。 今日も香川くんとラブラブ? 羨ましいなー」


と、遥は笑顔で言う。


「そんな事より、えっと、なんだっけ…えーっと、尻…尻なんとかって男の子」


「沢尻翔くん? 尻って…そこだけ取ったら失礼だよ」


そうそう、それ!
と言うと遥かはキョトンとした顔をしていた。


「翔くんがどうかしたの?」


「え? ううん、さっき偶然会っちゃってさー! 可愛いなって思って」


「でしょー! 可愛いでしょ? 翔くん!!」


遥はテンションが上がって、キャッキャとはしゃぐ。


本当に遥はイケメンが好きだなあ。
この変態、もらってくんないかなあ。


なんて考えていた。

お昼休み、恋と遥が委員会なので、ひとりで中庭でご飯を食べようと向っていた。


「あれ? 愛先輩」


階段で、沢尻くんに会った。
やっぱ可愛い顔してるなあ。


女装したら似合いそう。
なんて考えてしまった。


「今からお昼ですか? 良かったら、一緒にどうですか?」


え…。私は一瞬戸惑った。
さっきの、もしかしたら聞かれるかな。


なんて、考えるのはよそう。


「うん、いいよ」


「マジですか? やったぁ!」


喜んでる姿が、なんか犬みたいで、おもわずナデナデしたくなる衝動にかられた。


沢尻くんは、動物に例えるなら、絶対犬だな。
チワワとか小型犬あたり。


「俺、愛先輩と仲良くなりたかったから一緒にお昼食べれて嬉しいです」


と、ニコリと笑って言われると、胸の奥がキュンとなる。
なんだ、この可愛い生き物は!と心の中でツッコんでしまう。