「やっぱ犯人…佐藤さんじゃないかな」


「…なの、かな」


最近、何もしてこないからすっかり忘れてたけど。


「言ったでしょ、修学旅行の事で根にもってるって」


「言ってたけど、まさか…」


まさか、こんな事するなんて。


「写真はいくらでも現像できるけど…」


そう、恋が呟いた。


「こうゆう事されると、辛いね」


全部ビリビリに破かれたわけじゃない。


2人の間だけ、破かれてる。


それってやっぱり…。


「あきらかに嫉妬だよね」



「私…どうすればいいんだろ」



悲しいよ、こんな事されるの。


でも、佐藤さんの気持ち…今なら少し分かる気がする。


私も、淳の事―…。



「とにかく、帰ろう。 一緒に」


「うん、そうだね」



私はゴミ箱から写真を回収して、恋と一緒に帰った。


家に帰って、セロハンテープで写真をくっつけていく。


鞄の中のアルバムを見たら、淳と一緒に写ってるとこだけ、ごっそり抜かれていた。


やっぱ、佐藤さんがやった…のかな。
佐藤さんは、私が嫌い…だよね。


なんでだろう、こんな事されても、“嫌われてる”って思うのが、すごく悲しくて、辛い。



私は破れた写真をなおしながら、涙を流した。