「ねえ、ちょっと食べちゃわない？」
私がそう言うと、淳が
「へ？ どこで？」
「歩きながら！」
「食べにくくない？」
「いーの！ なんか修学旅行って感じじゃん！」
そうかな？と首をかしげる淳。
「私、ずっと修学旅行って楽しく、無かったから」
そう呟いてしまった。
今言う事じゃないかもしれないけど、でも。
「でも、今は楽しい」
って、そう思う。
「そりゃ、良かった」
淳は笑う。
淳は、私の昔の事を知ってくれている。
それでも、こうやって、笑って側にいてくれる。
それだけで、居心地がいいのは、なんでかな。
恋も、遥も、翔ちゃんも陸さんだって。
同じなはずなのに。
なんで淳だけ、ちょっと違うんだろう。
それはやっぱり、好きだから…なのかな。
