白い影の復讐

 白崎という女子が殺された。おとぎ学園の生徒で優しくまじめな女子だった。犯人は隣野といういじわるで欲深い男子生徒とその彼女だった。

 白崎には恋人がいた。良という男子生徒で彼と白崎は幼馴染だった。
「白崎……」
 彼女のことを思い出すと涙がでてきた。彼女はどんなときも優しくみんなに対して平等の精神を持っていた。あんなに正しい人間がなぜ死ななければいけないのか……良は涙が枯れるまで毎日泣いていた。

 その後、隣野カップルが歩いていると後ろから誰かがついてくる。誰なのかもわからないが、それは白い影だった。普通、影は黒いものだが、二人の影を見ると白くなっていた。二人は直感的にわかってしまった。シロの呪いだと。しかし、影なのでどうしてもついてくる。追い払うことはできないし、以前の黒い影が漂白されたかのような不気味さをかもし出していた。もう黒い影は戻ってこないかもしれない。白い影は有害だった。二人は影が現れないように光に注意を払うようになった。夜でも電気の光で影が動き出す。影を切り離すことは難しかった。
 白い影は、階段から突き落とそうとすることもあれば、電車のホームから突き落とそうともする。
 良は困り果てた二人を見て、ある霊媒師を紹介した。二人は意を決してある霊媒師に相談した。若い女性だが、実力は本物だった。

「除霊をはじめる。相当強い霊がついておるな」

 すると、除霊霊媒師は催眠術をかけ理由を探った。その結果、真相を知った霊媒師は、白い影と話をした。やはり白い影は白崎の魂だった。白崎はうらみをもっているけれど、彼らを殺したいと思っているわけではないと思っているようだということだった。

 霊媒師は白い影と契約した。二人から離れるように、そしてそのまま成仏するように。そして、隣のカップルと約束をかわす。その後、霊媒師は電話をかける。3回ボタンを押した。

 これは良の心理戦がもたらした勝利なのかもしれない。


★解説
 白い影は白崎の霊だったのです。霊媒師のおかげで二人は殺人を自白。そして、霊媒師が110と電話の番号を押した。結果的に隣野カップルは逮捕されてしまったのです。どんな理由があっても、人を殺すことは絶対にダメです。良は復讐として正しい方法をとったのでしょう。