偽王子さまの君と、今宵も共に。






「な、なんでですかっ……」

「やだから?」

理由になってないですよそれじゃ。

ぎゅうっと後ろから抱きしめる力を強くされて、わたしは無理やり振りほどく気にもならない。


……そういえば、抱きしめられたのなんて、いつぶりだろうな。

両親が亡くなってからないから……えーと、約六年間?


ほんと……懐かしい。