偽王子さまの君と、今宵も共に。






「ん?」

「帰りたくないです」


スマホをぎゅっと胸に抱きしめながらそう言うと、誠夜さんは「そ」と頷いた。

……何があったとか、訊かないんだ……。

それはただわたしに関心がないだけなのか、気づかってくれているのか。わからないけれど、とにかく、ありがたかった。


やっぱり……いい人、なのかも……。

「……凛菜ちゃん、こっち向いて?」

「?? はい」