偽王子さまの君と、今宵も共に。






……さい、あく……。


月明かりだけが頼りの暗い、狭い道。わたし・尾上凛菜(おがみりんな)はバッグの取っ手をぎゅっと握りしめた。


「ねえ、君今ひとり? 制服だけど、何年生〜?」


わたしの目の前にいるのは、四十代ぐらいの男性だ。……しかも結構お酒に酔ってるらしい。頬が赤く染まっている。


ど、どうしよっかな……。

事情があって家に帰らず本屋さんとかに寄り道してたけど、まさかこんなめんどくさいのに絡まれるなんて。