偽王子さまの君と、今宵も共に。






わたしは思わず、すぐ近くに倒れているあの酔っぱらいの人と誠夜さんを見比べる。

とてつもなく爽やかで優しいと噂の誠夜さんが、こんなことをするなんてあまりにも想像ができない。


自覚があるのか、誠夜さんは「あー……」と声を出すとわたしの手を握った。力が強くて、ビクッと反応する。


「……内緒、ね? お願い凛菜ちゃん」


綺麗な顔が、わたしのすぐ近くにある。


けれど、これはお願いなんかじゃないと悟った。