偽王子さまの君と、今宵も共に。






「……ごめんなさい」

「なんで出ていったのとか、何があったとかは、家で訊くから。とりあえず、一緒に帰りましょう」

……え、。

ぐいっと、手を引っ張られる。拒否する間もなく、足がもつれておばさんの方に身体が傾いた。

え、そんな、急にっ……。

身体が、おばさんの勢いに抵抗できずついて行ってしまう。自分の気の弱さを、改めて憎んだ。


……憎む? なんで?

あれ、とわたしは、パチパチと目を瞬く。