「図書館で人にぶつかったからかな…?」
ぎゅっと、叶兎くんが私の服を掴む手に力が入る。
「俺がいないところで、俺じゃない男の匂い付けてこないで…」
拗ねた声で、胸に顔を埋めて声がくぐもる。
男の匂いもなにも、ほんとにぶつかっただけなのにこんな嫉妬してくれてるの、かわいすぎる。
そのまま私の背中に腕を回して、離れない。
このあからさまに素直な叶兎くん、激レアかもっ…。
顔を私の首元に埋めて、少しだけ甘く噛むみたいに歯を立てる。
痛くない、ぎりぎりの強さ。
「っ……!」
でもだからこそ、ちょっと、物足りないなんて…。
いつもみたいに傷口を舐められる感触はなくて、叶兎くんは満足そうにそこを見て笑った。
「ふふ、これで俺の」
酔ってはいるけど…本気で噛まないあたり、ちゃんと理性はある。
「もっと頭の中おれでいっぱいにして。」
「も、もう十分叶兎くんでいっぱいだよ…?」
「足りない」
至近距離で見つめられて、恥ずかしくなって逸らそうとすると頬を両手で包まれる。


