目の前に立った瞬間、叶兎くんはなんの躊躇もなく体重を預けてきた。
「わ、ちょっと……!」
肩に重みがかかって、反射的に支えた。
お酒の匂いが、ふわっと鼻をくすぐる。
こんなに酔ってる叶兎くん、珍しい。
「……歩ける?」
「んー……」
肩に頭を擦り寄せてくる。完全に甘えモード。
……かわいい…。
なんて思いつつ、はっと我に帰って部屋のソファに座らせる。
「と、とりあえず座って。転ばれたら困る」
ソファに誘導すると、素直に「はーい」と座る。
とりあえずネクタイ、緩めて。
……介抱してるみたいで、なんだか変な気分。
でも、上着を脱がせるときに自然と距離が近づいて。
自分から近づいてるのに、変に意識してしまう。
「胡桃」
名前を呼ばれて顔を上げると、叶兎くんがじっと私を見ていた。

