部屋の前で時雨くんと別れてから、部屋に戻ってベットの縁に腰を下ろした。
叶兎くんはまだ戻ってきていないみたい。
今頃、何してるかな。
……酔いすぎてないといいけど。
なんて考えていた、ちょうどそのとき。
──がちゃ。
廊下の方から少し乱暴な音がした。
ドアが開いて、重たい足音が近づいてくる。
「たーだいまー……」
少し間延びした声。
視線を向けると、そこにはネクタイを緩めた叶兎くんが立っていた。
いつもより少し頬が赤くて、目は少しとろんとしていて……。
いかにも、酔っている。
「おかえり。……飲んだ?」
「ん、飲まされた」
不満そうに言いながら、叶兎くんはふらっとこちらに近づいてくる。
その足取りが危なっかしくて、思わず立ち上がって駆け寄った。
「大丈夫?」
「胡桃がいるから大丈夫」
どんな理屈。
なんてツッコミたいのに、本人は真顔だ。

