総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




この人……大学生、だよね。

“レポート”って言ってたし。


何て答えればいいのか咄嗟に言葉に詰まっていると、彼は私のアタマの混乱を察したのか、あっけらかんとした笑顔を浮かべた。



「あ、ごめんごめん!変なこと聞いて。いや、純粋に珍しい本読んでるなーと思ってさ」



そう言って、もう一冊を手に取ってじっと表紙を眺める。



「研究好きなんだ?」



研究…みたいなもの、かな…?



「まあ、……その、ちょっと、興味があって…?」



無難な答えを返すと、彼は楽しそうに頷いた。



「いいね。俺もそういうの嫌いじゃない」



拾い集めてくれた本を綺麗に重ねて私に手渡しながら、彼は「ほいっ」と親しみやすい笑みを浮かべる。


その時。



「胡桃、大丈夫?」



通路の奥から、様子を見に来てくれた時雨くんの落ち着いた声が聞こえてきた。