総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




「……やっぱり、気の所為じゃないのか」



私も背筋が自然と伸びた。



「今日2人が捕まえてくれた男も、やっぱり能力を制御出来なくなってる状態だった」



確かにあの人、明らかに様子がおかしかった。

理性が追いついていない、というか、自分でも止められない感じ。



「まだ“異常事態”ってほどじゃないけど……明らかに増えてる。吸血鬼がいきなり人間を襲ったケースもある」



吸血鬼と人間は長い間平和に共存してきた。


…輸血パックや輸血カプセルのおかげで吸血鬼が人間を襲うことはほとんどないはず。


叶兎くんが私を襲いそうになった時もあったけど、

あれは1人の血を飲み続けたせいっていうちゃんとした理由があるし。



「原因は?」

「今のところ不明。個人の感情不安定、環境要因、能力の相性…色々調べてはいるけど今のところ収穫なし」



そう言ったあと、時雨くんの視線がふっと私に向いた。