総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




私は軽く睨んだ、つもりだった。

でも叶兎くんはそんな私の視線を気にするどころか、私の隣に腰を下ろして満足そうに目を細める。



「なに、可愛い顔して」



もっ、もう……

からかわれてるのが分かってるのに、反論できないのが一番悔しい。



「胡桃も大変だな」



さらっと追い打ちをかけられて、思わず肩が跳ねる。


叶兎くんって、絶対いじわるするの好きだよね……!?

最近それ、さらに加速してる気がするんだけど。



「……とりあえず」



時雨くんが、軽く咳払いをして話を切り替える。



「話があって来たんだけど、いい?」



そう言いながら、ちらっと私たちを一瞥する。

さっきまでの空気を一度飲み込むみたいに、時雨くんは深く息を吐いてから正面のソファに腰を下ろした。



「最近、吸血鬼の暴走件数が増えてる件について」



その一言で、空気が変わった。

叶兎くんの表情が、ふっと引き締まるのが分かった。