「相っ変わらずだなほんと」
時雨くんはため息をつきながら、頭をがりっと掻いた。
「こんなとこでいちゃつかないで?こっちは書類山積みなんだから!!」
……無理。
ほんとに、恥ずかしいんですけど…!?
身内に全部見られたみたいな、このどうしようもない恥ずかしさ。
しかも一瞬とかじゃなくて、そこそこしっかり見られてたっぽくて、今すぐこの場から消えたい。
「で、叶兎は笑ってないで反省して」
ぴしっと言われているというのに、当の本人はお構いなしにくすくすと楽しそうに笑っている。
……この人、本当に。
「てかお前気づいてたでしょ?」
時雨くんの声に、私は思わず叶兎くんを見る。
まさか、と思ったその予感は、次の一言であっさり裏切られた。
「うん。最初は気づいてなかったけど…なんか途中ずっと外ウロウロしてて面白かったから。いつ入ってくるかなーって」
「……もーー」
時雨くんも完全に呆れた声。
いや、ちょっと待って。
気づいてたの…!?

