唇が離れたあと、息を整えながら叶兎くんの胸元に頭を寄せた。
指先が勝手に、彼の服をぎゅっと掴んでしまう。
「あんま可愛いことされると、我慢できなくなりそうなんだけど」
低く囁かれて、背筋がぞくっとする。
──そのときだった。
「はいはいはい、ちょっとさぁ」
ぱちん、と空気を割るような声がしてびくっと体が跳ねた。
…振り返ると、
そこにはドアの前で腕を組んだ時雨くんが。
「続きは部屋でやってくれる?」
じとー……っと、冷ややかな視線が突き刺さる。
……だ、だから言ったのに……!!
慌てて叶兎くんから距離を取るけど、心臓がまだ全然落ち着かない。
「い、いつからいたの……?」
恐る恐る聞くと、時雨くんは片眉を上げた。
「知りたい?」
「えっ」
その返しが一番怖いんだけど……!
思わず両手で顔を覆う。
もしかして、キスしてるとこから全部……!?

