「…ダメじゃ、ない、です………」
その瞬間、ふっと表情を緩めて叶兎くんは距離を詰めてきた。
そっと、唇が重なる。
「……っ」
思わず息が漏れると、それを待っていたみたいにさらに距離を詰められる。
背もたれに手をつかれて、完全に囲われてしまった。
逃げようにも、逃げる気力なんて残っていない。
頭が、じんわり熱くなって。
心臓の音がうるさい。
「胡桃さ」
一度、ほんの少しだけ唇が離れる。
でも離れたと言っても、息がかかるほど近い距離のまま。
目を細めて、私を覗き込む。
「……なんだかんだ…俺にキスされるの結構好きでしょ?」
………っ…!
…図星すぎて、一気に顔に熱が集まってどうしようもなくなる。
「……っ、そ、れは…」
必死に言葉を探すけど、頭が追いつかない。
「んんっ」
反論しようとした言葉は、次のキスでまた全部奪われる。
考える暇も、言い訳する余裕もなかった。

