……さっき、吸血したばかりなのに。
その瞳はまるで足りないと言わんばかりに、じっと私を映していた。
こんなふうに見つめられると、頭より先に心臓が反応してしまって。
…この先を期待してしまう自分がいることが、はっきり分かってしまう。
……ほんと、学ばない。
叶兎くんの指先が、そっと顎に触れた。
「もう…誰か来たら、どうするの…!」
精一杯の抵抗のつもりだった。
ちゃんと理性を働かせてる、はずだった。
でも返ってきたのは、あまりにも余裕のある声。
「俺は別に気にしない」
……いや、私は気にするよ……っ!
なんて胸の奥で思わず叫んでも言葉にはならない。
視線が絡んだまま、ほんの一瞬時間が止まったみたいに間が落ちる。
その沈黙を破ったのは、ずるい一言だった。
「ダメ?」
う、そんな顔で言われたら、何も言えなくなるに決まってる。
私がどんな答えを出すか、もう分かってるくせに。
……叶兎くんのその顔に弱い私も、大概だと思う。

