総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ




……さっき、吸血したばかりなのに。


その瞳はまるで足りないと言わんばかりに、じっと私を映していた。



こんなふうに見つめられると、頭より先に心臓が反応してしまって。


…この先を期待してしまう自分がいることが、はっきり分かってしまう。



……ほんと、学ばない。


叶兎くんの指先が、そっと顎に触れた。



「もう…誰か来たら、どうするの…!」



精一杯の抵抗のつもりだった。

ちゃんと理性を働かせてる、はずだった。


でも返ってきたのは、あまりにも余裕のある声。



「俺は別に気にしない」



……いや、私は気にするよ……っ!


なんて胸の奥で思わず叫んでも言葉にはならない。



視線が絡んだまま、ほんの一瞬時間が止まったみたいに間が落ちる。

その沈黙を破ったのは、ずるい一言だった。



「ダメ?」



う、そんな顔で言われたら、何も言えなくなるに決まってる。

私がどんな答えを出すか、もう分かってるくせに。


……叶兎くんのその顔に弱い私も、大概だと思う。