総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ



…なのに。


叶兎くんの指は、そっと私の首元に触れてきた。

唇が触れるよりも先に吐息がかかって、ぞくっと背筋が震える。



「力抜いて」



囁く声に、逆らえなくなる。


言われるまま目を閉じると、次の瞬間。

ちくり、とした小さな刺激。


でも一瞬で、すぐにそれは熱に変わる。


吸われる感覚がじんわりと広がっていく。

首元から、胸の奥まで、ゆっくりと。



叶兎くんに触れられているという実感が、

安心と一緒に、甘い痺れを運んでくる。



……だめだ、これ…。



どれくらい経ったのかわからない頃、名残惜しそうに唇が離れた。



もちろん、書類なんて書けるわけもなく。

ペンを持つ手は完全に止まっていた。



「……ホント、甘。なんかまた甘くなった?」

「そうなの…?」



自分の血の味なんて正直わからない。

私にとっては、ただ、くらっとする感覚が残るだけで。