総長は、甘くて危険な吸血鬼 Ⅱ





──叶兎くん。


振り返らなくても、誰だか分かってしまう。



「大丈夫!そんなに重くないよ」



そう答えながら、私は段ボールを抱え直した。


中身は服と本と、あと細々した日用品。

そもそも持ってきたものが少ないしそんなに荷物は増えていない。


とはいえ実際それなりに重さはあるので、

抱え直した時によろけようになった。


叶兎くんは私の手元を一瞬見て、ふっと笑う。



「無理してる顔」

「してない」

「してる」



そう言って、叶兎くんは私の荷物をひょいと奪った。
抵抗する間もない。


吸血鬼と人間の腕力は天と地の差なので比べるもんじゃないけど、片手で普通に持ってて、何か悔しい。



「……ありがと」

「どういたしまして。」



そう言って、当たり前みたいに私の頭をぽん、と撫でる。


付き合って、それなりに経った。

手を繋ぐのも、隣に並ぶのも、彼の体温を感じるのも。
前みたいに、いちいち動揺しなくなる……はずなのに。


やっぱり叶兎くんに触れられると、いちいちドキドキしてしまうし嬉しいと思ってしまう自分がいた。