——ちゃんと、できた。
守られるだけじゃなくて、隣に立って。
そのとき。
遠くから、サイレンの音が聞こえてきた。
「特殊警備隊だ」
装甲車が通りに止まり、武装した隊員たちが周囲を確認しながら駆け寄ってくる。
現場の状況を見た瞬間、隊員たちは呆然と足を止めた。
「……あれ?」
「もう、鎮圧されている……?」
隊員の一人が驚きに目を丸くして声を漏らす。
「この男が能力暴走を起こしてた。拘束は済んでるよ」
叶兎くんが凛とした声でそう伝えると、隊員は一瞬絶句してから、深く頭を下げた。
「叶兎さん…!?…ありがとうございます。さすがです……!」
その言葉に、周囲の隊員たちも小さくどよめいた。
私は、叶兎くんの隣に立ちながら静かに息を吐く。
「胡桃さんも、ありがとうございます。お二人とも本当に頼もしいですね」
そう言われて、叶兎くんがちらっと私を見る。
嬉しそうに、誇らしそうに。
「じゃあ、今デート中なので俺たちはこれで」
叶兎くんは何でもないことみたいにさらりと言うと、ごく自然に私の手をギュッと握りしめた。
「はい!ここの処理はお任せください。」
警備隊の人たちに、にこにこした温かい目で見送られて。
私は握られた手をぎゅっと握り返しながら、顔が熱くなるのを自覚した。
……なんか。
すごく、恥ずかしいんですけど…!


