「この街も、吸血鬼のみんなのことも…ちゃんと守れるトップになりたいって思ってる」
その視線はまっすぐで、すごくかっこよくて。
「1人じゃなくて、胡桃と一緒に」
そう言ってくれることが、何より嬉しかった。
「うんっ!」
私は溢れる愛おしさを込めて、繋いだ手にキュッと力を込めて握り返す。
…そのときだった。
──ガシャン!!と。
静かな街の空気を切り裂くように、遠くの方で何かが激しく叩き割れるような凄まじい音が響き渡った。
明らかに日常では聞くことのない、異様な破壊音。
一瞬にして、楽しげだった通りの空気が凍りつくように揺れる。
通りの向こうで人々の流れがピタリと止まり、ざわ……と嫌なざわめきが波のように広がっていった。
「……?」
視線が、自然と音のした方向へと向けられる。
隣の叶兎くんを見上げると、さっきまでの柔らかい表情は消え去り、すでに仕事の顔に切り替わっていた。
「胡桃」
「うん。行こう」
言葉を交わさずとも意図が伝わり、私たちは同時に音のした方へと駆け出した。


